活動報告

2022.07.26
◆ 第24回 研究会報告

7月26日18時から20時、Zoomでオペラ台本研究会を開催しました。
 
これまで『ドン・パスクワーレ』の台本を精読してきましたが、今回で読み終えることができました。
Andare col campanello(直訳だと「呼び鈴と共に行く」)のニュアンスや、最後でドン・パスクワーレが
「Tutto dimentico, siate felici; / com’io v’unisco, v’unisca il ciel!」と口にして
めでたしめでたしとなる点などについて話し合いました。
 
韻律の面から見てみるとマラテスタ(ドットーレ)の「Senz’andar lungi la sposa è presta」
でヴェルシ・ショルティから詩句が変化します。音節の数は10ですが、10音節詩行ではなく二重5音節詩行です。
理論(頭)で理解するだけでなく、体でリズムを感じられす、リズムが中から溢れ出すような感覚で演奏したり、
鑑賞できるといいですね。これが理解できると「La morale」という言葉を「La moral」とトロンカメントで
母音を落とす意味や、ドニゼッティがシンコペーションを使って言葉のアクセントと音楽のアクセントをずらして
いる意味、さらには同じ言葉のアクセントのみのズレなのか、韻律リズムもズレているのかといった点まで
見えてくることがわかりました(これをサラッとやってのけるドニゼッティの凄さ)。
 
次回はバロック・オペラの台本をみる予定です。詳細が決まったらまたHPでお知らせします。
引き続きイタリア・オペラの魅力をさらに見つけ出し、広めて行きたいと思います。

森田学

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