活動報告

2022.02.08
◆ 第19回 研究会の報告

2022年最初の研究会が2月7日18時より開催されました。
研究会の前半で、第三幕・第四景と第五景の途中までを読みました。
例えば、
Pensar che, per un misero puntiglio,
mi sono ridotto a questo!
は何となく意味は取れるかもしれませんが、「pensar」が不定詞の独立用法で感嘆を表している点や、
[…] Mia sorella
capace a voi di perdere il rispetto!
では「essere」が略されており、「〜しかねないのですよ」といったニュアンスがあるといった細かい点も確認して行きました。
 
研究会の後半は現在、フィレンツェに滞在中の辻昌宏先生よりイタリアのオペラ最新レポートがありました。
コモでのロッシーニ《チェネレントラ》は1996年から続けられている「オペラ・エデュケーション」の公演で小学生を巻き込んでの舞台です。児童(観客)参加型の公演で、なんと6つのナンバーを舞台と一緒になって子どもたちが歌って参加するという工夫がなされているそうです。確かに、8音節詩行の詩句などは、子どもたちにとっては童歌のように慣れ親しんだリズムですし、事前に先生の指導のもと練習しておけば楽しく参加できるのでしょうね。カーテンコールでのスタンディングオベーションや跳びはねる子どもたちがいたということで、本当に盛り上がった様子が伝わってきました。
またフィレンツェのMaggio Musicaleに新しくできたズビン・メータ・ホールでケルビーニのオペラ・ブッファ《Lo sposo di tre e marito di nessuna》(3人の女性を口説こうとするけれど結局誰とも結婚できないお話)というなかなか鑑賞する機会のない作品にも足を運んだとのこと。タバコをもらうシーンでタバコ・ケースの方がいいというしたたかさや夫が寝た後に外出したらどうするのか尋ねて相手の様子を伺うなど、オペラ・ブッファのお約束のようなノリやシチュエーションが満載でこのような視点から作品を研究してみても面白そうだな、と思いました。より詳しい様子は「イタリアに好奇心」をご覧ください。

森田学

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