イタリアオペラの台本(セリフ)は韻文で書かれています。そのセリフは文字通りの意味だけでなく、背後に登場人物 の心持ちや思いが存在しています。 オペラ台本は単に読むための作品ではなく、上演されることを前提に書かれています。演者が声に出し、舞台上で演じ ることで成立するテキストなのです。これらの仕組みや作者の意図も含め台本を読み解いていくのが本研究会の主な活動になります。台本テキストの内容研究 Librettistica からスタートして、カンタータや歌曲のテキストへの拡がりも 視野に入れ、将来的には文献学やテキスト・クリティック研究 Librettologia を含む総合的な探求を目指します。
◆ イタリア韻律法
イタリアオペラの台本(セリフ)は、ほぼ韻文で書かれています。イタリア語の韻文は主に「詩行の音節数」「詩行アクセントの配置」「脚韻」で特徴づけられます。これらのルールを知ることが詩文学を本当の意味で受容には必要不可欠となります。
◆ 台本テキスト
台本は、登場人物が発するセリフの部分と上演に際して様々な情報を提供してくれるト書きの部分で構成されています。最終的な作品理解では、楽譜(音楽テキスト)と照らし合わせたり劇場空間でどのように再現されるのかという視点も重要です。
◆ イタリア語について
文語としてのイタリア語が早くから成立したこともあり、私たちは現代イタリア語をしっかり学ぶことで、古い時代のイタリア語を読むことができます。とはいえ、時代や地域、作家による特徴を理解するためには詩文学 や歴史文法についての素養も求められます。
◆ オペラは演劇のジャンル
オペラがdramma per musicaやmelodrammaと呼ばれることからも分かるように、音楽は欠くことのできない要素ではありますが、オペラは演劇のジャンルです 演劇作品では歴史や風俗・文化などの理解が非常に重要です。