活動報告

2020.10.12
◆ 第5回 研究会の開催

オペラ台本研究会の10月研究会が終わりました。今回は第一幕のノリーナのカヴァティーナの前まで読みました。

 

テキストの読み込みには様々な資料を参照していますが、フランスとイタリアの出版事情、著作権の問題なども考慮して解釈を進めていきます。基本的にイタリアを専門とする研究者が多いので、今回はフランス(バレエ)が専門の高島先生にもフランスの事情をお話いただきました。

 

本研究会では後進の育成にも力を注いでおり、学生さんの場合はメリディアーニの校訂台本『I libretti d’opera italiani』を参照するのが良いと感じました(初演台本では、アクセント記号の有無や句読点の使い方が異なるため、イタリア語の知識が無いと難しい点も多々あるため)。

 

今回は実践に際して有用なポイントということで、例えば対訳では「何ということだ」とあっても、「Che mai sento!」や「Che mai vegg’io」といったセリフでも、信じられないことを耳にしているのか、目にしているのかの意識も必要だと指摘しました。
ト書きの位置や台本と楽譜でのセリフの違い、「Ah」に集約された心の内、パスクワーレが古風な話し方をしている点(部分的にはドニゼッティが自然な話し言葉に近づけた点)などについても確認しました。

 

来月はいよいよノリーナ登場です。

森田学

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